さて、ようやく実家の引っ越しが一段落しました。
荷物を抱えたまま階段から脚を滑らせて転げ落ち、蒲田行進曲をライブでやらかしたので体中アザと擦り傷だらけになり、風呂場で服を脱いで鏡で見たらまるでSMの上級者みたいになってます・・・・オイ!罰金箱に手を掛けるのはやめて!
衣裳担当:ちっ・・・・・
デリバリー予定の1108のストック骨格のパーツ組み直しも完了しました。
実は前に働いていていてくれた人が組んでくれた骨格パーツ7体分を全部組み直していたんですよ。
だいたいOKなんですがどうしても不都合な部分があって結局やり直しする事に決めて、暇をみてコツコツ組み直してました。まぁ暇自体あまり無いんですけど。
やはり骨格組み上げは自分がやらねば駄目ですね。
人に造ってもらうのはちょっと無理でした。
なんて言うか計算上出ない筈の誤差を予測して補正する技術ってのは経験値の積み重ねと持って生まれた勘の良さが必要なんですよ、季節ごとにも異なるし。
いきなり出来ないのは当たり前ですが、やらなければ経験値が上がりません。
最初はまずい仕上がりなのは織り込み済みですが、それを頭ごなしに否定すると技術者として伸びないので、ある程度自由度を持って造ってもらってたんですが・・・・・
熱可塑素材を使う以上、熱膨張(延び)て物があってそれを計算に入れてない組み上がりでしたので全部やり直しです。
鋳型前に全補正してるとそれだけで2日余計に掛かりますし、その間のエネルギーコストが全くの無駄ですし、最悪の場合出荷基準に満たない物になってしまう可能性もあります。
やはり最初っからビシッと一発でバランスが取れる骨格を組まなければ結局は時間と労力の無駄なのです。
私の指導が悪いからなんですが、やはりこういう仕事には向き不向きがあるのは否めません。
個々のパーツ造りはとても優秀で素晴らしいレベルでしたが、組み上げは2年位の仕事ではやはりちょっと無理でした。
が、逆に言えば2年たっても自分と同じ仕上げが出来なければ他の仕事を探した方が正しいでしょう。
今持ってる才能を他に活かせる場所は必ずあるはずですから、そちらで社会の役に立つ仕事をした方がこんな日陰産業で時間を潰すよりは本人にも世の中の為にもなります。
PC担当:当たり前だよ!こんな複雑なのそうそう組める奴はいないわ!
そもそも域値が狭すぎるギリギリ設計が悪いに20000ペリカ。
製造担当:それは俺もそう思う。
私:それがJAPANクオリティーだ!
PC担当:造る方の身にもなれよおっさん!
私:今度1412はもっと狭いよ。軽量化の為に更にギリギリのつらつらだよ!
製造担当:もう勘弁してくれ・・・・・
私:その代わり鋳型時の時間短縮の為の工夫は随所に設けたよ。容積率2倍以上でも鋳型作業時間は30%は短縮出来るよ。
おかげでかなりコストダウン出来たので同じ工程で造る場合の当初に計算した販売価格と比較して材料損失改善、製造熱エネルギー効率化、人件費等を合計すると販売価格は予定より150,000円も安く出来たよ。まぁそれでも1108よりは100,000円位は高いけど。
製造担当:それはスゴいな、体積比2倍以上でその価格差ならよくやったと褒めてやるよ。もっと早くからやれよ・・・・
私:製造型に秘密があるのよ。今度のはバイパス経路で樹脂漏出ロスはほぼゼロで回収率98%ですよ。
純ロスは2%で管壁ロスと大差ないので実質的にロスなしと考えて良いよ、こぼしたりしなければ。
製造担当:まぁ、よくこぼすけどな。で、今までは大体何%のロスが出てたの?
私:最良条件時で13%、最悪条件時なら27%位、こぼすと+8%位で、コンタミネーションがあると45%は逝かれる、まあ後の2つは事故扱いだから、平均すると16〜7%ってところかね。
PC担当:素材のキロあたり単価を考えると年間かなりの金額をドブに棄ててたなぁ。
製造担当:既存の型は同じ様に改修出来ないのか?
私:根本から異なるのでそれは無理。
と言うわけでHBA-1412MYの価格は799,200円(本体+ヘッド+スタンド+付属品一式セット)です。
税金が60,000円近くですから本当の価格は740,000円なんですよ。税金高けえ!
販売受付は画像の展開をもって開始いたします。
しばしお待ち下さい。
当社ドールオーナー(お待ちのお方を含む)のお方には優先受付と発売から半年間の間は割引特典があります。
あと、今後は余剰樹脂が劇的に出なくなるので擬似パーツの販売は終了します。
PC担当:て事は最初の計算では950,000円位になりそうだったのか・・・・
私:そう、いくら何でも高過ぎるのでどうにかしてもっと安く出来ないかとあれこれ懸命に考えてましてねぇ・・・いやマジで必死に考えた・・・・で、製造型を全面的に設計変更する事で鋳型工程をスリム化して徹底的に無駄が出ない様なアイデアを採用したの。
次に25分の1サイズで実際にそんな事が可能かどうかを検証してみたら技術的に行けることが実証出来たのでやりましたよ。
それで一年以上余計に時間食ったけど、仕上がりと性能を全く犠牲にしないでこれだけコストダウン出来たんだから型の設計やり直しは時間が掛かっても結果的には良かったと思うよ、樹脂もかなり値上がりしたし。
PC担当:まぁ幾ら安くても性能が悪けりゃ作品としてはクソだからな。
私:作品の性能に妥協はしないのよ。それが私の生きる道。
画像は製造型を造ってる時の肋骨。
冬場は油土が硬くて意外と力仕事でめんどくさい。
指の爪の間に油土が入り込むのが実は凄く嫌。
気持ち悪い。
それと、引っ越しで友達に借りた軽トラを返す前にガソリン入れたらこんな数字が!
なんか嬉しいけどよく考えたら別に得でも何でもない。
PC担当:あるある!
あと、引っ越し大掃除で出てきてしまったもの。
買ったまま造らないのはプラモデルの王道ですよ。
PC担当:違うわ!
製造担当:こっちにある未開封の外付けハードディスクは?
私:買ったけどよく考えたら自分パソコン持ってなかったので意味なかった。
使うならあげますよ。
衣裳担当:普通は買う前に気付きますよね?
PC担当:馬鹿過ぎる・・・・・
衣裳担当:DVDは仕事がら妥当なセレクションですね、AKIRAとか攻殻とか地獄少女とか。
PC担当:ナジカ電撃作戦はギリギリだな。
製造担当:ちょっと待てよ、あんたテレビ持ってなかったよな?
私:うん、持ってない。DVDプレイヤーはあるけど。
衣裳担当:と言うことは観てないんですかコレ?・・・・あ!全部未開封だ!
私:アニメーションはソフトを持ってるけど観ないのが王道だ!
PC担当:ほんっとにドコまでもスゴいな・・・・・普通じゃねえよ・・・・・
私:誉めるなよ、照れるだろ!
PC担当:蔑んでるんだよ!このスカポンタン!!
|