TROTTLA

industria   imitazione
2013年11月06日
オーケンのエッセイを読んだ後、ううむっと唸りながら自分が欲しかった物について改めて考え直してみました。
そして長年放置してきたこのコーナーを思い出して書き込むことにしました。
次は何時になるかは判りませんが。


ガキの頃は欲しい物はいっぱいあった。
その99%は今考えるとくだらないもの、つまりは要らないものばかりで、いいオッサンになった今となっては全く価値のない物ばかりである。

その多くは周りの環境、つまり学校とか塾とか友達付き合いとかその中で他人が持っていて自分が持っていない物、ああ、アレ欲しいなぁという感情から起こった物だと簡単に推測出来る。
大きなカブトムシやミヤマクワガタ、モデルガンにラジコンカー、テレビゲームにローラースケート、ガキの物欲には際限が無く、次から次に欲しい物が現れては消える。
しかし俺の小学生の時の小遣いは月に300円という同級生たちと比較して罰ゲームレベルの低金額だったのでその殆どの物は手に入れる事は出来ずに枕を涙で濡らすしかなかった。
この地獄貧乏は高校生でアルバイトを始めるまで基本的に続いた。
頼みの綱のお年玉も“お母さんが預かっておきます詐欺”に遭い、中学生まで自由にならなかった。

そればかりかウチの両親は頭がおかしいので道具一つ買い与えずに町内会の野球チームに強引に俺を押し込んだりした。
みんなグローブどころかユニフォームまで揃えて貰っているのに、一人だけ軍手で野球の試合に臨まされる。
その時の同級生でピッチャーを任されていた友達の何とも言えない表情が今でも夢に出てくる。
はっきり言って虐待レベルの仕打ちだ。羞恥プレイと言っても良い。
俺の今に至るまでの野球嫌い、もっと言うとチームプレイのスポーツ嫌いはこの辺にルーツがある。
見るのは嫌いではないが参加するのは御免被りたい。

幼少期の教育というのはよくよく慎重に考えないと私の様なねじ曲がった人間が出来上がるのだ。

そんな自分が手に入れることが出来た宝物は、たまたま工事のおっちゃんから貰った使い古されたニッパーとドライバー。
ドライバーはどこにでもある普通の品だったがニッパーの性能は尋常ではなかった。
錆びてはいたが切れ味は抜群、今迄少ない小遣いを貯めて買った100円ヤマトのプラモデル、それもヤマトは買わず、2隻入っているお得な駆逐艦とかフリゲート鑑、そして主力戦艦ばかりの大艦隊、欲しかったアンドロメダはいつも売り切れで無かったが、とにかくそれらの宇宙艦隊のプラモデルを造り上げる為に使用していた爪切りと比較して神の如くの切れ味で自分の製作の腕前が上がったような錯覚さえ覚えた。
長きにわたり自分のプラモデル造りの相棒として愛用してきたそのニッパーに刻まれた文字は子ども心に強烈に覚えている。
今はその時のニッパーはもう無い。
それから数年後、自分が学校に行っている間に宇宙艦隊ごと母親に処分されてしまった。

あの時は荒れた。
家中の家具を破壊しそうになった。
この時の事も今だに夢にみる辛い出来事だ。

本当に子供を駄目にするのは低俗と言われる漫画やテレビ番組等ではない。
理解の無い馬鹿な大人だ。


あれから35年。
神のニッパーは今俺の手元に帰ってきた。
そして他にも同様な性能を持った素晴らしい工具達も伴って再び俺の元に返ってきたのだ。

    

FUJIYA、それは神の文字。

そう、俺はもう欲しい物は手に入れてしまったのだ。

MADE IN JAPAN

日本に生まれて良かったと心底思う。
2007年3月26日
さて、今回は海外メーカーです。
その名はFONTAX
ピンセットのメーカーです。
国粋主義者の私としてはANEX辺りを勧めたいのですが、FONTAXは常軌を逸してる位すごいです。
なんでも最終仕上げは顕微鏡下で行なわれるとか。

そのせいかは判りませんが、信じがたい位の正確さです。
私はプラモとかNゲージとか精密な物が大好きなので、昔からピンセットには拘りがありました。
そしていろんなピンセットを使い、最期に辿り着いたのがFONTAXでした
とにかく正確無比。一点の狂いもありません。まさしく一生物です。
福野礼一郎氏もそう著書に書かれておられます。(正確には自動車雑誌の一文ですが)
素材の金属もとても良い物です。
ですが、堅い床に落としたらもう終りです。
この前もうっかりやってしまいました。
そんな時の為に常に同じ物をストックしてます。

良い物は二個買いが基本ですよ。余裕があれば。

最近はハンズでも扱ってますね。ちょっと高いけどね。

             
2007年3月4日
真実を知らないというのは愚かだねぇ・・・・いや、こっちの話です。さてまず、工具からいきます。第一回を飾るのは
KTC
このメーカーの素晴らしい点はいっぱい在り過ぎて大変です。
使い勝手の良さとかありきたりな事はここでは多くは述べません。
何よりすごいのは製品のバラツキの無さです。
我々の様に同じ工具を複数揃えるユーザーには本当に有り難い事です。
人間の感覚は突き詰めると100分の1mmどころか1000分の1mmの違いを見分けます。
工具の最高峰と言われるメーカーの物より遥かにバラツキがありません。
これはひとえに生産管理の徹底にままならないと思います。
見習わなければならないと思います。

日本の誇りですよ。

満足度100%
コストパフォーマンス100%

完全無欠とはKTCの為にある言葉だと思います。


13mmソケットだけでも同じ物がこんなに
               
2007年3月3日
はい、どーも。
TROTTRA総帥の高木です。
この度、新しいコーナーを新設する事にしました。

このコーナーは、私が独断と偏見で選んだ工具とか、マニアックな品を皆様に紹介するコーナーです。
安物買いの銭失いをしたくない方や、どうせ手に入れるなら最初から本物が欲しいと考える、
修羅の道を進む求道者の方々のせめてもの道標となれば良いと偉そうに語ったコーナーです。

ですので、異論反論は一切受付ません。
なぜならばここで紹介する品は全て私の経験に基づく物ですので、人様の意見等など聞く気など無いからです。
もちろん世間一般の考えからかけ離れた事もあると思いますが、その辺りは自己判断で。

基地外には基地外にしか判らない事も多々あるのですよ。
旅の極北
Copyright (C ) 2005 TROTTLA All rights reserved