台風被害で発送とかが遅れてしまいました。
屋根直したり、あと裏口の戸が壊れたので直したり、換気装置が壊れてたりもう大変ザマス・・・・
この仕事は造ってる物がやたらリアルな少女人形ですから誤解を避けるためにあまり人目に付かない場所でやらなけりゃなりませんので、以前から山の中とか人口密度の低い場所に工房を設けてきましたが、そうすると自然の脅威にはモロに影響を受けます。
PC担当:創業時の住宅街の中にある工房だったよな。
で、庭で脱型した人形を洗ってたら通りすがりのおばちゃんに通報されたり。
私:敷地内とは言え道路から丸見えの場所で大の男が二人がかりで裸の女の子を石鹸つけて撫で回してたらそりゃ通報されるよな。
それから人気の少ない場所を求めて移転しました。
敷地裏が山林だと工作機械の音とかで近隣に迷惑を掛けずに済みますが、崖崩れとか倒木とかの要らんリスクは上がります。
あと、虫ね・・・・
自分で屋根を修理するのは面倒臭いですが資金節約の為にはしょうがないです。
屋根修理は流石に費用が高過ぎる・・・・
見てくれなんかどうでも良く、雨漏りさえ止まれば良いのですから見映えは無視で自分で修理します。
ドアだの窓だのの不具合とか、換気扇レベルの電気製品とか位ならたいがい直せますし、業者を待ってるくらいなら自分でやっちゃいます。
製造担当:えてして余計に時間食ったりする場合もあるが、修理は経験だからな、後々その経験が役に立つ日は必ず来るよな。
私:あなたは今じゃ床くらいひっぺがして張り直すのはぞうさも無いでしょ?
製造担当:疲れるからあれはもうやりたくない。
倒木の処理が一番大変でした。
竹とか強そうに見えて弱い。
地下茎、いわゆる根っこは強いですが、地上部分は根こそぎ倒れてる所とかあって車が通れねぇ・・・
真竹は根性無しと脳内インプットしました。
発送自体も以前はプラスチック段ボールだったので雨の影響は受けませんでしたが、今は普通の段ボールの箱なので水濡れはヤバい。
小雨くらいならビニール袋を被せれば平気ですが横殴りの雨は無理です。
重量物ですから水濡れで脆くなった段ボールの底が抜けると中の人がまろび出て来る可能性があります。
PC担当:人じゃねえだろ・・・・
雨のなか宅配の兄さんが運んできて、ピンポ〜ン!SAGAWAで〜す!お荷物をお届けにあがりました〜!
ガチャっ(ドアを開ける音)
あ、雨の中どうもご苦労様です!
どちらに置いたら良いでしょうか?重いのでお部屋まで運びましょうか?
あ、玄関で結構です。
ではこちらに・・・・よいしょ!!ビリビリ!ズボッ!・・・・ゴロン!
あ゛〜っっ!!!!
ってな事になったら大惨事です。
PC担当:ドリフの棺桶ギャグか!
製造担当:確かにそれはマズいな・・・。
ウチの人形じゃないですが、実際に等身大ドールの配達受け取りであった話だそうです。
某出版社の方から聞いた話ですが。
実験してみたら、かなりびしょ濡れまで行かなければ底が抜ける恐れはありませんでしたが、持ち上げると箱がバッチリ変形しました。
そうすると中の人と段ボールの内壁が接触する場合があり、ソレだけなら大丈夫ですが場合によってはクッション材がズレる可能性があります。
そうなると変な姿勢で固定されたまま輸送されるという事態が予測されます。
コレは中の人にとって良くない。
PC担当:だから人じゃねえだろっての!
製造担当:防水の段ボールにすればいいんじゃないか?
私:防水のコーティング段ボールだと値段が高過ぎるんだよ・・・・どうせ捨てられてしまう物にそのコストは辛いし、プラスチック段ボールは捨てるのが大変っていうご意見を戴いたので廃止した訳だし・・・・・
今の普通の段ボールならカッターナイフ一本でスパスパ切ってバラせるし捨てるのも簡単だけど、デカいプラスチック段ボールはバラすの本当に大変だよ。
たいがい指とか怪我して血が出るし。
製造担当:捨てることまで考えないといけないのは大変だな。
PC担当:資源ごみにとして回収される段ボールの方が地球には優しいって訳だな。
私:だがその地球が台風を寄越したり大雨とか降らしたりするから皮肉なもんだよ。
ところでスペインとか今大変ですね。
陸続きで異なる民族、単一国家ってのはどうしても民族問題が根っこにありますよね。
プチデモン首相は独立の呪文を唱えた。
しかし、MPがたりない!
PC担当:それはミニデーモンだ!
衣裳担当:プチデモンさんってなんか可愛い感じがします。
私:小悪魔首相!
PC担当:ヤバい!萌える!
武力制圧とかによるドンパチでガウディの作品とかが破壊されたりしたら取り返しがつかない。
そんな事にならないことを祈りますよ。
知り合いのクリエイターのお方にサーにゃんっぽいネコミミとしっぽの付いた妖精造ってください!ってお願いしたら本当にカスタムで造ってくれました、わ〜い!
版権というものがあるのでアニメや漫画と全く同じ顔とかヘアスタイルという訳じゃありませんが、かなりソレっぽい雰囲気と仕上がりで素晴らしい!ハラショー!!
PC担当:やっぱネコミミだよな。
私:よし!アレを掛けるか久々に!エンドレスリピートで。
製造担当:そのCDは禁止だ!キューバの音響兵器と同じ被害を起こす気か!
衣裳担当:そんなに・・・・
改めて細部を観察すると、ホントにすげえ細かいなぁこの仕事!
髪の毛の植毛とか脳外科手術かよってレベルです。
文字通り毛細血管レベルの細かさ!
いわゆるボトルシップの人形判ですね。
ウチの人形と対極のサイズですが、作業量が多過ぎの為にポンポンと量産できないのは共通点ですね。
マシニングに頼りきった量産品とは異なり、手作り品ゆえに細部にえもいわれぬ味もあります。
手作り品とマスプロダクツ品を比較した場合、マスプロ品は均一性や精度のレベルはそれなりに高く安心できる物ですし量産効果で価格自体も下げられるのは良いことですが、同じものがこの世に幾つもあるという点、つまり誰でも入手しやすいという素晴らしい利点を持つ反面、オリジナリティというアートの大切な要素は薄まり喪われていきます。
実際に商売として考えた場合、
どっちが正解とは言い切れませんが、潜在ユーザーが多数認められると判っているのであれば量産品の方が商売としては有利かもしれませんね。
もともとアート作品ってもんは市場性が限定されているか、或いは流動的な流通性ってもんが欠落した物です。
簡単に言えば市場において定価という物が存在しない商品なんですよ。
実際には原材料価格や生産コストを下回る売価では生業として成立しませんが、現代のクリエイターは副業を持っている場合が殆どで売価設定に自由度があります。
そしてネット環境の充実は隙間的な作品やアングラな作品もそれを求める人との接点を作り出す事に貢献し、本来は商売になり得ない小さなレベルの商取引を可能にしています。
おかげでそれ一本で食っていくことは困難ですが、創作という文化を創造する活動は続けていくことが出来ます。
しかし、私などを含めて多くは一代限り。
後継者などは居ません。
マスプロダクツで出来ない作品はほとんどの場合創作者の時間的、及び経済金銭的な犠牲により成立しています。
だから作風や作品が怪しからんとか、自分がソレを気に入らない程度の浅い理由で何も造り出してない様な人間が面白半分、或いは感情的な理由だけで非難攻撃するのは本当に愚かに見えます。
文化の衰退を加速させる要素で一番罪が重いのは、頭の固い行政や法規制などではなく、自分の感情を最優先させ、背景も考えず他人を非難したり罵倒する下等な人間の存在です。
ホントに実害をうけてるなら文句位は言うべきですが、この手の輩は二言目には社会が、倫理が、常識がと普遍的な価値観を装った皆もそう考えてるに違いないという自分ルールを押し付けてきてウザいことこの上ない。
創作者の我々は価値観を他人に押し付けたりなどしていない。
わかる人にだけわかればいいのだ。
またこういう奴ほど声がでかいし言葉も汚い。
そして自己満足を満たすため素頓狂な正義や倫理を振りかざしますが、それらは殆ど科学的根拠とかがないヒステリックな感情論で聞くに値しない。
更に言えば意見の範囲を越えた汚い言葉は、暴力と同じだ。
ボトルシップ系の作品は機械で大量生産は無理でしょうね。
ガラス瓶の入り口から入れる自動化工作機械なんて出来っこ無いし、出来たとしても機械の開発コストが莫大過ぎてペイする訳がない。
アクリルみたいに透過率と透明度の高い素材を射ち出せる3Dプリンターが登場すれば、ガラス瓶の様な質感で後から積層なり出来るかもしれませんが、現状そこまでの綺麗な透明度を持つ樹脂は無いです。
ボトルの外側は研磨でいけそうですが内壁は手も足も出まい。
つまりこれはもう手作業の職人技の独壇場でしょう。
純然たる手作りの作品であるこの瓶入りの妖精さんは、美術性、趣味性、稀少性、の三拍子揃った作品と言えます。
しかも博物学的な標本の趣もあり、展示映えするのでコレクター心を擽りますね。
これを見たら澁澤先生や魔少年BTも瓶入り妖精をマイコレクションに加えたくなること請け合いです。
まさに澁澤龍彦先生の書かれた少女コレクションの世界そのものの具現化ですよ。
その視点から見るとサイズは違えど基本的立ち位置は私の造る人形と驚くほど近いです。
澁澤先生の言うところの少女という存在は絵画であれ写真であれ人形であれ、あらゆる形でコレクションの対象足り得るものであり形を変えた自己愛の現れであるという言葉は、男のリビドーの本質を突いていると思います。
突き詰めると男性の少女愛は少女になりたい、なり変わりたい、生まれ変わりたい、迄行く世界であり、ソレが叶わぬならせめて所有したい、つまりは自己愛の変遷であるって説明が一番説得力がある様な気がしますね。
だが生まれ変わりも所有も無理だ。
生物的にも、法的にも、倫理的にも。
そこで少女人形ですよ。
ここに至って昔からよく云われている"人形は自己を投影する鏡である"という説にストンと落ち着く訳です。
難解ですが少女愛の本質はこれです。
お解り戴けますでしょうか?
しかし、そこまで理解している紳士ばかりではなく、残念ながら性欲だけの原始的欲求の解消の対象としてしか少女という存在を認識できない野獣のような人間も実際に居るのがこの道の趣味をもつ紳士を困らせる要因ですよ。
世間一般からは両者の本質的な違いを見分けることは困難なので致し方あるまいが、酷い話だなぁ。
同じグループにカテゴライズされながら一方は精神性の昇華としての少女愛、もう一方は単なる排泄行為としてだけの少女愛。
まるで違うのに。
こういう仕事してると興味の無い人間、或いは逆に興味本意のメディアからは頭のおかしい変態野郎が妙なもん造ってやがるぜ位にしか認識されませんが、製作者として色々深いところまで考えてはいるんですよ。
だが、聞く気の無い奴にナニ言っても無駄だと知ってますから無駄な事はしないだけですよ。
私だけじゃなく少女モチーフの作品を創ってる人はみんなそうでしょ?
解ろうとしない奴にはいちいち言わないだけですよ、時間の無駄ですから。
で、この瓶入り妖精という作品、私はある程度細かいのまでは得意ですが、ここまで細か過ぎるのは苦手なので、こういう仕事の出来る人は誉めずにいられない。(CV:福野礼一郎)
次はプリズマイリヤ風でお願いしてみよう。
PC担当:調子に乗るな!
私:じゃあ双恋の双樹で。
衣裳担当:どんだけ門脇ファンなんですか・・・・
私:門脇キャラは銀髪系が多いな。
PC担当:で?・・・・
画像はHBA-1412のパーツ改良による廃棄品。
勿体無いけどより良い性能の為には仕方ない。
全機交換完了。
さあ造るぞ。
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